医療用語とは難しいものですが、皆さんはバイオ医薬品をご存じでしょうか。最新バイオテクノロジーを用いて作られる医薬品のことです。まだちょっと内容が不透明なので、ここではそのバイオ医薬品分野を最も得意とする製薬会社である、協和キリンについてご紹介します。
協和キリンってどんな会社
いろいろな分野で貢献している会社ですが、今回は医薬の分野について説明します。今まで培ってきた高い技術力と、多角的にみたユニークともいえる視点で独自研究し、品質の高い薬の開発と提供を行っています。また、強みとしている抗体に関する技術はもちろん、主に内服薬に応用されてきた低分子医薬や、最近大注目されている再生医療分野にも積極的に携わり、日々研究や開発、製薬に取り組んでいます。
今まで作った薬の安全性や有効性を見直して、さらに効果をアップさせる努力は怠りません。使い方の改善、そして他の病気への効果の証明と適応する病名の追加などにも力を入れ続けています。それでいて、化学合成やバイオテクノロジーを駆使して、新薬の可能性にも常に挑戦します。特にバイオ医薬品に関しては、いち早く研究開発に徹しており、技術やノウハウを培ってきていて、安定生産できる設備の充実化にも力を入れてきました。
気になるバイオ医薬品の内容と効果
バイオ医薬品とは、最先端のバイオテクノロジーを利用することによって、酵素やホルモン、抗体など人間の体内分子を応用して作られる医薬品のことです。協和キリンの中で代表する製剤である、エリスロポエチン製剤で例えます。今までの技術では、生物の分子などから作られる医薬品は、抗生物質などの簡単な低分子化合物のみでした。エリスロポエチンは女性ホルモンの一種で、大きく複雑な構造分子なのですが、バイオテクノロジーにより大量生産が可能になったため、製薬できたのです。
また、バイオ医薬品のひとつである抗体医薬品は、協和キリンが得意とするところです。抗体とは、免疫系の話の良く出てくるもののことです。それを遺伝子レベルで取り出し、培養した後に不純物だけを取り除いて得られる、高分子のバイオ医薬品のことをいいます。この医薬品の良いところは、標的に対して正確にピンポイントで攻撃するので、効果が高いことです。例えば、ガン細胞の特異的に作用して、ガンを治療できるということなのです。したがって、従来の薬品のような副作用は出にくくなります。さらに、血液中でとどまる時間が長く、つまりは作用している時間が長いため、投与回数も少なくて済む点があげられます。
協和キリンの次世代医薬品研究開発
ここまで、協和キリンがどういう会社で、得意分野は主に何なのかお話ししました。少し前は、不治の病と言われてきたガンへの薬はたくさん出ましたが、効果の不安定さ、副作用の多さとひどさがずっと課題でした。そこに真正面から向き合って、効果が大きく副作用の少ない製薬の開発に至った会社のひとつということになります。このように、抗体の技術を中心に、バイオテクノロジーを駆使することで、腎臓、ガン、免疫やアレルギーなどに強い病気の領域で、さらなる高みを目指しています。
そのひとつとして、外部の研究機関と共同で研究をしており、次世代の抗体医薬品開発を目指しているのです。新開発には、ばく大な費用と長期にわたる年月が必要ですが、いまだに解明されていない難病の治療なども積極的に研究しています。いつしかそう遠くない未来に、そういう薬を待っている方々にも協和キリンの薬が届くことでしょう。