近年、ジェネリックという言葉は、すっかり皆さんの耳になじむようになりました。しかし、その製造は、必ずしも自社でしているとは限らないということをご存じでしたでしょうか。長生堂製薬は、自社の医薬品はもちろんですが、各社からの委託を受けて作っています。今回は、そんな長生堂製薬の特徴と委託製造についてご紹介します。
長生堂製薬のジェネリック定着までの道のり
モットーは、「ジェネリック医薬品で、人と未来にやさしさを届け続ける」だそうです。ご存じのとおり、高齢化社会になり、医療費は膨らむ一方で、保険料を納付する労働人口は減り続けている状態です。このままでは、健康保険制度が維持できません。そこで、新薬の特許期間が切れたときに、他メーカーが有効成分同一で、なおかつ安全性と有効性が認められたものをジェネリック医薬品として売り出すことができるようになったわけです。
最初は、新薬が一級品だとすれば、なんだか二流の薬に切り替えられると思い込んでしまい、抵抗感がある方もたくさんいたと思います。しかし、長生堂製薬をはじめとするジェネリック会社が、医療機関への働きかけや一般の方々への宣伝によって、その不安を徐々に取り除いてゆき、現在に至っています。2017年時点では、日本はジェネリックでいえば後進国だったのです。アメリカが92%、ドイツが87%に対し、日本はたったの62%でした。しかし、現在は約80%までになりました。新薬と同じ成分で、安心安全で安価なもの提供したいをという熱心な活動が、医療費削減へと大きく貢献したのです。
新薬メーカーや他のジェネリックメーカーの委託製造
長生堂製薬のもう一つの柱は、新薬メーカーや他のジェネリックメーカーから、製造を委託されているのです。製薬業界は、多種多様化、専門化、高度化の一途をたどっているようです。そのため、この部門で他社に貢献し、高品質なものを患者さんに届けるべく、努力しています。豊富な経験と実績があり、一流メーカーからも厚い信頼を寄せられているようです。品質はもちろんですが、安定供給も大切です。そのため、最新の空調設備と製作設備を完備しています。
また、日本では非常に珍しいのですが、長生堂製薬では、ある系統の抗生物質専用工場を持っていて、そちらも委託されています。なかなか医薬品の効能に特化した工場というのは、世界的にも多くはないと思います。各メーカーから多々受託しており、それぞれの要望にも細かく応えて、対応できているということです。専門工場は、日本の抗生物質生産を大きく支えていることでしょう。特にラインを自動化したことと、それを管理する人員の能力向上に力を入れています。その結果、国内にとどまらず、国外からも高い評価を受けているそうです。最先端のラインを持っているというのは、なによりの強みだと思います。
長生堂製薬の二大柱はジェネリック販売と委託製造
日本には、約5000種類以上のジェネリック医薬品があり、錠剤やカプセル、点眼に至るまで剤形もさまざまあります。そのなかで長生堂製薬では、自社品と委託品を合わせると、約300品目を取り扱っています。医療費削減の推進のためではありますが、ジェネリック医薬品でも患者さんに信頼してもらえるよう、高い品質と安定供給、豊富な知見で対応しています。
また、メーカーを問わず委託されることにより、他メーカーの品質も背負いながら、日本の製薬業界に広く貢献していることがわかります。それらはきっと、すべての患者さんと未来に対して、優しさを届けるということにつながるのではないでしょうか。